1. てんかんで障害年金を受給するためには「初診日」が重要
  2. てんかんで障害年金がもらえる程度とは~「障害認定基準」
  3. てんかんの診断書と日常生活能力について
  4. てんかんで障害年金が受給できた事例
  5. てんかんの障害年金を受給する手続き方法について
  6. てんかんで障害年金の請求(申請)をする時に気を付けること

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てんかんは年齢や性別関係なく発病し、突然意識を失って倒れる発作から手の震えのような小さな発作まで、発作の症状も様々です。てんかんで障害年金が受給できることをご存じない方が多いのですが、一定の基準を満たせばてんかんで障害年金を受給できる可能性があります。

てんかんで障害年金を受給するためには「初診日」が重要

まず、てんかん発作等の症状が出てから最初に行った病院はどこだったか、その病院に初めて行った日はいつだったのかを突き止めることが重要です。症状が出て初めて病院に行った日を障害年金では「初診日」と言います。

例えば初めててんかん発作を起こして救急搬送されたというケースがありますが、救急搬送されてその時には応急処置のみで「てんかん」と診断されなくとも、てんかんの初診日はその時救急搬送された日となります。

初診日が確定できたら、①初診日の要件と②保険料納付要件を確認します。てんかんで障害年金を受給するためにはいくつかの条件があり、それを全て満たさなければなりません。

① 初診日の要件とは、てんかんの初診日において国民年金か厚生年金の被保険者であること。
② 保険料納付要件とは、初診日の前日において年金保険料を一定期間以上納付していること。

具体的には、初診日の前日において、初診日の属する月の前々月までの被保険者期間についての保険料納付済期間と免除期間を合算した期間が加入期間の3分の2以上納められていること。または、初診日の属する月の前々月までの直近1年間に滞納期間がないこと。※20歳前に初診日があるてんかんの場合には、保険料納付要件は問われません。

①初診日の要件と②保険料納付要件の両方を満たした上で、てんかんの障害状態が障害年金を受給できる程度かどうかを判断していきます。ですので、どんなにてんかんの症状が重くなったとしても、①初診日の要件と②保険料納付要件を満たさなければ、てんかんで障害年金を受給することはできません。

また、初診日がいつで、どこの病院に行っていたかどうかは、「受診状況等証明書」という書類で証明しなければなりません。

てんかんで障害年金がもらえる程度とは~「障害認定基準」

てんかんがどの程度の症状であれば障害年金が受給できるかどうかを定めた基準があり、それを「障害認定基準」と言います。

てんかんの認定基準は以下の通りです。

まず、てんかん発作のタイプを以下の4つに分類します。

A:意識障害を呈し、状況にそぐわない行為を示す発作
B:意識障害の有無を問わず、転倒する発作
C:意識を失い、行為が途絶するが、倒れない発作
D:意識障害はないが、随意運動が失われる発作
1級の認定基準

十分な治療にかかわらず、てんかん性発作のA又はBが月に1回以上あり、かつ、常時の援助が必要なもの

2級の認定基準

十分な治療にかかわらず、てんかん性発作のA又はBが年に2回以上、もしくは、C又はDが月に1回以上あり、かつ、日常生活が著しい制限を受けるもの

3級の認定基準

十分な治療にかかわらず、てんかん性発作のA又はBが年に2回未満、もしくは、C又はDが月に1回未満あり、かつ、労働が制限を受けるもの

1級から3級までありますが、初診日に国民年金に加入していた方は1級か2級で、3級はありません。3級を受給できるのは、初診日に厚生年金に加入していた方が対象となります。

また、てんかんで障害年金を受給できるかどうかは以下の点も考慮されます。

てんかんの認定に当たっては、その発作の重症度(意識障害の有無、生命の危険性や社会生活での危険性の有無など)や発作頻度に加え、発作間欠期の精神神経症状や認知障害の結果、日常生活動作がどの程度損なわれ、そのためにどのような社会的不利益を被っているのかという、社会的活動能力の損減を重視した観点から認定する。

様々なタイプのてんかん発作が出現し、発作間欠期に精神神経症状や認知障害を有する場合には、治療及び病状の経過、日常生活状況等によっては、さらに上位等級に認定する。

てんかん発作とその他認定の対象となる精神疾患が併存しているときには、併合(加重)認定の取扱いは行わず、諸症状を総合的に判断して認定する。

てんかん発作については、抗てんかん薬の服用や、外科的治療によって抑制?される場合にあっては、原則として認定の対象にならない。

【注意!】

・てんかんと診断されているだけでは障害年金は受給できません。
・「十分な治療」にかかわらずてんかん発作が抑えられない状態であることが重要。
・てんかん発作が起きていない時期(発作間欠期という)の精神神経症状も重要。

てんかんの診断書と日常生活能力について

てんかんで障害年金の請求(申請)をする場合には、精神の障害用診断書(様式第120号の4)を使用します。そして、てんかんの症状がどの程度かどうかは日常生活能力によって審査され、等級が決められます。

【注意!】てんかんは「精神の障害に係る等級判定ガイドライン」の対象とする病気から除外されております。

【 日常生活能力の判定 】とは

「日常生活能力の判定」とは、日常生活の7つの場面における制限度合を、それぞれ具体的に評価するものです。

日常生活の7つの場面

適切な食事

配膳などの準備も含めて適当量をバランスよく摂ることがほぼできるなど。

身辺の清潔保持

洗面、洗髪、入浴等の身体の衛生保持や着替え等ができる。また、自室の清掃や片付けができるなど。

金銭管理と買い物

金銭を独力で適切に管理し、やりくりがほぼできる。また、一人で買い物が可能であり、計画的な買い物がほぼできるなど。

通院と服薬

規則的に通院や服薬を行い、病状等を主治医に伝えることができるなど。

他人との意思伝達お及び対人関係

他人の話を聞く、自分の意思を相手に伝える、集団的行動が行えるなど。

身辺の安全保持及び危機対応

事故等の危険から身を守る能力がある、通常と異なる事態になった時に他人に援助を求めるなどを含めて、適正に対応することができるなど。

社会性

銀行での金銭の出し入れや公共施設等の利用が一人で可能。また、社会生活に必要な手続きが行えるなど。

日常生活の7つの場面における制限度合を、次の4段階で判定します。※ご家族に援助してもらっている方は、一人暮らしだと仮定して判断します。

① できる
② 自発的に(おおむね)できるが時には助言や指導を必要とする
③(自発的かつ適正におこなうことはできないが)助言や指導があればできる
④ 助言や指導をしてもできない若しくは行わない

【 日常生活能力の程度 】とは

「日常生活能力の程度」とは、「日常生活能力の判定」の7つの場面も含めた日常生活全般における制限度合を包括的に評価するものです。

① 精神障害(病的体験・残遺症状・認知障害・性格変化等)を認めるが、社会生活は普通にできる。

② 精神障害を認め、家庭内での日常生活は普通にできるが、社会生活には援助が必要である。(たとえば、日常的な家事をこなすことはできるが、状況や手順が変化したりすると困難を生じることがある。社会行動や自発的な行動が適切に出来ないこともある。金銭管理はおおむねできる場合など。)

③ 精神障害を認め、家庭内での単純な日常生活はできるが、時に応じて援助が必要である。(たとえば、習慣化した外出はできるが、家事をこなすために助言や指導を必要とする。社会的な対人交流は乏しく、自発的な行動に困難がある。金銭管理が困難な場合など。)

④ 精神障害を認め、日常生活における身のまわりのことも、多くの援助が必要である。(たとえば、著しく適性を欠く行動が見受けられる。自発的な発言が少ない、あっても発言内容が不適切であったり不明瞭であったりする。金銭管理ができない場合など。)

⑤ 精神障害を認め、身のまわりのこともほとんどできないため、常時の援助が必要である。(たとえば、家庭内生活においても、食事や身のまわりのことを自発的にすることができない。また、在宅の場合に通院等の外出には、付き添いが必要な場合など。)

てんかんで障害年金が受給できた事例

てんかんの障害年金を受給する手続き方法について

てんかんで障害年金を請求(申請)する場合の流れは、以下のとおりです。

1. 初診日の確定

初診日を確定することは、てんかんの障害年金請求(申請)で最も重要です。今通院している病院が初めてかかったところでしたら問題ありませんが、それ以前に転院などをしている場合には、その一番初めにかかった医療機関を特定することから始めます。

初めててんかん発作を起こしたような場合、救急搬送されて応急処置で終わり、てんかんとの診断がされない場合もありますが、その場合は救急搬送された日がてんかんの初診日となります。

2. 保険料納付要件の確認

① 初診日が確定したら、まずは請求する障害年金制度の種類が確定します。初診日に厚生年金の加入者でしたら障害厚生年金、国民年金の加入者や主婦など配偶者であれば障害基礎年金になります。

② 初診日の前日の時点で、2か月前から1年間遡って保険料の未納・滞納がないかを確認します。直近1年間で1か月も未納・滞納がなければ納付要件はクリアになりますが、1か月でも滞納がある時は、20歳からこれまでの加入記録全部を確認して、3分の2以上納めていればOKです。

3. 受診状況等証明書の取得

初診日の証明書を取得します。既にカルテが破棄されていて受診状況等証明書が取得できない場合には、様々な方法により初診日の証明をしていきます。

4. 診断書の取得

初診日が確定したら、そこから1年6か月経過後の「障害認定日」が決まります。この時点での病状をその当時の医師に診断書を書いてもらいます。どれだけ医師から協力を引き出せるかが重要になります。

※「障害認定日」に障害状態でない場合には、現在の病状を記載した診断書が必要になります。⇒ 事後重症請求

※「障害認定日」に障害状態で1年以上経過している場合は、障害認定日と現在の診断書の2枚が必要になります。⇒ 遡及請求

5. 病歴・就労状況等申立書の作成

診断書は医師が内容を記入するのに対して、病歴・就労状況等申立書はご本人が唯一、ご自身の状況を説明して提出できる書類になります。てんかんのご本人が請求する際には、細かく困っていることを訴えて書いている人も少なくありませんが、審査する側が端的に分かるように要点を押さえて、過不足なく書くことが重要です。

6. 各種提出書類の収集および請求書等の作成

7. 年金事務所または市区町村役場へ提出

てんかんで障害年金の請求(申請)をする時に気を付けること

てんかんで障害年金の請求(申請)をする時に気を付ける点がいくつかあります。

てんかんは発作だけで障害年金が認定されるわけではない

てんかんの主治医は、意識を失う発作(大発作)の回数があまり多くない患者さんに対して、「あなたはてんかんの発作回数が少ないので、障害年金はもらえません」とおっしゃることがあります。それは、医師がてんかんの障害認定基準を隅から隅まで理解されていないからです。

てんかんは、発作の重さや回数だけで障害年金が認定させるのではなく、発作がない時期の状態も審査の対象となります。例えば、発作がない時期には抑うつ状態だったり、不安感があったり、抗てんかん薬の副作用で吐き気や眠気があったりという症状も含めて日常生活能力を判定するのです。

また、てんかんの方は意識を失う発作(大発作)以外にも、自分の意思と反して小刻みに手が震えたりする小さな発作があることもあります。てんかんの大発作以外の発作や症状をまずは整理し、それによって日常生活や仕事上で困っていることをしっかりと主治医に訴えることが重要です。

てんかんを治療しながら働いている場合の障害年金

てんかんの治療をしながら障害者雇用枠でフルタイム就労をしていたり、パートタイムで働いていたりする場合は障害年金を受給できないと思われている方はとても多いです。てんかんの障害認定基準には、就労していたら障害年金を受給することはできないという記載はありません。しかし、診断書を見る限りは障害等級に該当しているにも関わらず、働けているという事実のみによって不支給(障害年金がもらえない)になったり、不利な等級で認定されたりすることはとても多いのが現状です。「働くことができる」=「てんかんの症状が軽い」と判断されるのです。

てんかんの方が働いている場合、例えば高所作業や自動車運転が必要な仕事はしないという条件やてんかん発作が起きた場合の対処について配慮を受けていることがありますので、職場での配慮や仕事上の支障があればそれを診断書や病歴・就労状況等申立書に反映させることが重要です。

ちなみに発作が少ないてんかんの方が障害年金を受給しながら働いているということは意外と多いのです。

てんかん専用 受給判定・相談フォーム

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