1. あなたの高次脳機能障害の症状を整理してみましょう
  2. 高次脳機能障害で障害年金がもらえる程度とは~「障害認定基準」
  3. 高次脳機能障害で障害年金を申請するためのポイント
  4. 高次脳機能障害の障害年金を受給する手続き方法について
  5. 高次脳機能障害に関するよくある質問

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高次脳機能障害とは、交通事故や脳出血などで脳を損傷することにより出現する記憶や認知の障害です。脳梗塞や脳出血等の脳出血発症後に手足の麻痺のような障害とは別に、忘れっぽくなる・覚えられない・怒りっぽくなるというような症状が残ることがあるのです。高次脳機能障害は複雑な障害であり、その方それぞれ症状が違う場合がありますので、障害年金の請求(申請)で気を付けなければならないポイントがあります。

あなたの高次脳機能障害の症状を整理してみましょう

高次脳機能障害で出現する症状はいくつかの種類に分類され、その症状も多岐に渡ります。高次脳機能障害で障害年金がもらえるかどうかを判断するために、まずはあなたの高次脳機能障害はどんな症状があるのかを整理してみましょう。

この作業は高次脳機能障害で障害年金を請求(申請)するために、病歴・就労状況等申立書を作成する時や主治医に診断書を依頼する時に大変役立ちます。

高次脳機能障害の症状チェックリスト

以下は高次脳機能障害の方によく現れる症状です。「あてはまる」「たまにあてはまる」という内容にチェックをしてみましょう。

見当識障害

  • 外出予定の時刻に合わせて、前もって準備することができない。
  • 季節に合わせた服装を選ぶことができない。
  • 近所の通り慣れた道で家のある場所がわからなくなり迷子になる。
  • 長年一緒に住んでいる家族に対して他人行儀な言葉を使うようになる。

感情障害

  • 自分で置いた物の場所がわからなくなり、探し回る。
  • 何度も説明しているのに、しばらくたつと同じことを聞いてくる。
  • 日にちや曜日の感覚がわからなくなってしまう。
  • 親しい友人や家族の名前が思い出せない。
  • 長年やっている仕事の手順がわからなくなったり、動作ができなくなる。
  • 会話の中で一般常識と思われる物事(例えば歴史や人名など)について説明ができない。
  • 子供の頃に住んでいた土地名や通っていた学校の名前を忘れてしまう。
  • 日常的に使っている道具の名前が言えなくなったり、使い方もわからなくなる。
  • 何度も作っている料理が作れない。

失語識障害

  • 新聞などの文字を読んでも意味がわからない。
  • 以前はできていたレベルの計算ができなくなる。
  • 物の名前が出てこない、思い出せない。
  • 日常会話を理解できず、自然な会話ができない。

半側空間麻痺

  • 片側に置かれたものに気付かない、認識できない。
  • 歩いていて片側だけよくぶつかったり、食事の時に片側だけ残してしまったりする。
  • 片側から話しかけても反応しないことがある。

失行症

  • 日常生活の様々な運動や動作が全般的にできなくなる、またはぎこちなくなる。
  • ハサミなどの日常的な道具をうまく使えなくなったり、使い方を間違えたりする。
  • 文字の形が崩れたり、正確に書けなくなる。
  • 服をうまく着られなくなる。

注意障害

  • 周囲の状況の理解が困難になり、問いかけに対して適切に答えられない。
  • 自分の症状を適切に答えられなくなる。
  • 課題を行わせると、最初はできても15分と集中力が持たない。
  • 会話はできるが、長く続くと途中から理解が追い付かなくなり混乱する。
  • 簡単な計算はできるが、桁数が多くなると出来ない。
  • ひとつの作業はできるが、同時に2つ以上の作業をするとミスが増えてできなくなる。
  • 課題や仕事などの効率を一定の状態に保てなくなる。
  • 新聞や本を読み続けられず、読み飛ばしてしまうことが多くなる。
  • 会話をしていても内容は一貫性がなく、あちこちに飛んで脈絡がない。
  • 話し相手の会話内容が断片的にしか理解できていない。
  • 仕事(作業)中でも、他で物音や話し声が聞こえてくるとそちらに注意がそれて続けられなくなる。
  • 本の内容から必要な部分を探し出すことがうまくできない。
  • 会話中、周囲の音と話し相手の声を識別しにくく、会話の理解がしにくい。

高次脳機能障害で障害年金がもらえる程度とは~「障害認定基準」

高次脳機能障害がどのような状態であれば障害年金が受給できるかどうかを定めた基準があり、それを「障害認定基準」と言います。

高次脳機能障害は「症状性を含む器質性精神障害」として精神の障害の認定基準により認定されます。

障害の等級と高次脳機能障害の状態

1級の認定基準

高度の認知障害、高度の人格変化、その他の高度の精神神経症状が著明なため、常時の援助が必要なもの

2級の認定基準

認知障害、人格障害、その他の精神神経症状が著明なため、日常生活が著しい制限を受けるもの

3級の認定基準

1. 認知障害、人格変化は著しくないが、その他の精神神経症状があり、労働が制限を受けるもの

2. 認知障害のため、労働が著しい制限を受けるもの

簡単に言うと、1級は常に誰かの援助がないと日常生活を送ることができない程度、2級は必ずしも誰かの援助を受ける必要はないが日常生活に支障がある状態、3級は労働に支障がある状態です。

具体的に、高次脳機能障害で障害年金をもらえるかどうかは「日常生活能力の判定」と「日常生活能力の程度」で目安が定められています。

「日常生活能力の判定」とは、日常生活の7つの場面における制限度合を、それぞれ具体的に評価するものです。

日常生活の7つの場面

適切な食事

配膳などの準備も含めて適当量をバランスよく摂ることがほぼできるなど。

身辺の清潔保持

洗面、洗髪、入浴等の身体の衛生保持や着替え等ができる。また、自室の清掃や片付けができるなど。

金銭管理と買い物

洗面、洗髪、入浴等の身体の衛生保持や着替え等ができる。また、自室の清金銭を独力で適切に管理し、やりくりがほぼできる。また、一人で買い物が可能であり、計画的な買い物がほぼできるなど。

通院と服薬

規則的に通院や服薬を行い、病状等を主治医に伝えることができるなど。

他人との意思伝達及び対人関係

他人の話を聞く、自分の意思を相手に伝える、集団的行動が行えるなど。

身辺の安全保持及び危機対応

事故等の危険から身を守る能力がある、通常と異なる事態になった時に他人に援助を求めるなどを含めて、適正に対応することができるなど。

社会性

事故等の危険から身を守る能力がある、通常と異なる事態になった時に他人銀行での金銭の出し入れや公共施設等の利用が一人で可能。また、社会生活に必要な手続きが行えるなど。

日常生活の7つの場面における制限度合を、次の4段階で判定します。※ご家族に援助してもらっている方は、一人暮らしだと仮定して判断します。

① できる
② 自発的に(おおむね)できるが時には助言や指導を必要とする
③(自発的かつ適正におこなうことはできないが)助言や指導があればできる
④ 助言や指導をしてもできない若しくは行わない

【 日常生活能力の程度 】とは

「日常生活能力の程度」とは、「日常生活能力の判定」の7つの場面も含めた日常生活全般における制限度合を包括的に評価するものです。

① 精神障害(病的体験・残遺症状・認知障害・性格変化等)を認めるが、社会生活は普通にできる。

② 精神障害を認め、家庭内での日常生活は普通にできるが、社会生活には援助が必要である。(たとえば、日常的な家事をこなすことはできるが、状況や手順が変化したりすると困難を生じることがある。社会行動や自発的な行動が適切に出来ないこともある。金銭管理はおおむねできる場合など。)

③ 精神障害を認め、家庭内での単純な日常生活はできるが、時に応じて援助が必要である。(たとえば、習慣化した外出はできるが、家事をこなすために助言や指導を必要とする。社会的な対人交流は乏しく、自発的な行動に困難がある。金銭管理が困難な場合など。)

④ 精神障害を認め、日常生活における身のまわりのことも、多くの援助が必要である。(たとえば、著しく適性を欠く行動が見受けられる。自発的な発言が少ない、あっても発言内容が不適切であったり不明瞭であったりする。金銭管理ができない場合など。)

⑤ 精神障害を認め、身のまわりのこともほとんどできないため、常時の援助が必要である。(たとえば、家庭内生活においても、食事や身のまわりのことを自発的にすることができない。また、在宅の場合に通院等の外出には、付き添いが必要な場合など。)

高次脳機能障害で障害年金を申請するためのポイント

高次脳機能障害の症状が重く、障害年金を申請したにも関わらず不支給になる方は非常に多いのが現状です。障害年金は書類が全ての「書類審査」であるため、高次脳機能障害で障害年金をしっかりと受給するために気を付けなければならないポイントがあるのです。

高次脳機能障害を専門とした医師に診断書を依頼する

脳梗塞や脳出血または事故の後遺症で高次脳機能障害になった場合、脳神経外科・脳神経内科・内科・精神科・リハビリテーション科などに罹っていることがあります。治療の必要がない場合には病院に通院していないケースもあるでしょう。いざ高次脳機能障害で障害年金の申請をしようと準備を進めて、診断書の作成を依頼する段階になり迷うことが意外と多いです。

高次脳機能障害は精神の障害として診断書を記載してもらうため、精神の障害に詳しい医師でない場合には正しい診断書を書いていただけない場合もあります。今の主治医が高次脳機能障害の専門でない場合には、高次脳機能障害の専門医を探して転医することもひとつの方法です。

肢体の麻痺もある場合には併合認定もある

高次脳機能障害と手足の麻痺(肢体の障害)の両方が後遺症として残っている場合には、肢体の障害と精神の障害の診断書を提出し、2つの障害を考慮して障害年金は認定されます。

例えば手足の麻痺(肢体の障害)が3級程度で、高次脳機能障害(精神の障害)が3級程度だった場合には、両方を足して2級として認定されることがあります。(必ずしも2級になるとは限りません。)

診断書と病歴・就労状況等申立書との整合性をきっちり取る

病歴・就労状況等申立書に「働けないから経済的に困っている」とか「障害があって毎日がつらい」というように、高次脳機能障害の障害そのものの具体的な内容ではなく思っていることをそのまま書いているものをよく見かけます。毎日障害と向き合って、いろいろな支障を抱えながら生活しているご本人やご家族からしたら、「とにかく困っているので障害年金を支給して欲しい」というのが切実な願いだと思うのです。しかし、障害年金は受給の要件や等級の基準はしっかりと法律によって定められておりますので、それを意識しながら全ての書類を作成する必要があります。

病歴・就労状況等申立書には、高次脳機能障害の症状によって日常生活や労働にどのような支障や制限があるのかを絡めて意識しながら書くことをおすすめいたします。その時に「高次脳機能障害の症状チェックリスト」を使うとまとめやすいです。

症状チェックの例

「簡単な計算はできるが、桁数が多くなると出来ない」
→ 現金で買い物をすることができないので必ず家族が付き添って買い物をする

「季節に合わせた服装を選ぶことができない」
→ 家族が毎朝その日に着る服を一式準備しておく

「片側に置かれたものに気付かない、認識できない」
→ 食事の時に片側にあるものは気付かずに残してしまうので、家族が常に配膳に気を配っている

このように、「どんな症状」によって「何が困るのか」を書くようにすると、審査側に障害の程度をより理解してもらうことができます。病歴・就労状況等申立書が完成したら、診断書と一緒に読み比べて、2つの書類に矛盾がないかどうか整合性を取るようにしましょう。

高次脳機能障害の障害年金を受給する手続き方法について

高次脳機能障害で障害年金を請求(申請)する場合の流れは、以下のとおりです。

1. 初診日の確定

初診日を確定することは、高次脳機能障害の障害年金請求(申請)で最も重要です。今通院している病院が初めてかかったところでしたら問題ありませんが、それ以前に転院などをしている場合には、その一番初めにかかった医療機関を特定することから始めます。

・高次脳機能障害は脳の損傷等が原因の障害になりますので、例えば脳梗塞や脳出血が原因であれば脳梗塞や脳出血で初めて病院に行った日が初診日になりますし、交通事故が原因であれば交通事故で初めて病院に行った日が初診日となります。

・高次脳機能障害と診断された病院に初めて行った日が初診日になるとは限りません。

2. 保険料納付要件の確認

① 初診日が確定したら、まずは請求する障害年金制度の種類が確定します。初診日に厚生年金の加入者でしたら障害厚生年金、国民年金の加入者や主婦など配偶者であれば障害基礎年金になります。

② 初診日の前日の時点で、2か月前から1年間遡って保険料の未納・滞納がないかを確認します。直近1年間で1か月も未納・滞納がなければ納付要件はクリアになりますが、1か月でも滞納がある時は、20歳からこれまでの加入記録全部を確認して、3分の2以上納めていればOKです。

3. 受診状況等証明書の取得

初診日の証明書を取得します。既にカルテが破棄されていて受診状況等証明書が取得できない場合には、様々な方法により初診日の証明をしていきます。

4. 診断書の取得

初診日が確定したら、そこから1年6か月経過後の「障害認定日」が決まります。この時点での病状をその当時の医師に診断書を書いてもらいます。どれだけ医師から協力を引き出せるかが重要になります。

※「障害認定日」に障害状態でない場合には、現在の病状を記載した診断書が必要になります。⇒ 事後重症請求

※「障害認定日」に障害状態で1年以上経過している場合は、障害認定日と現在の診断書の2枚が必要になります。⇒ 遡及請求

5. 病歴・就労状況等申立書の作成

診断書は医師が内容を記入するのに対して、病歴・就労状況等申立書はご本人が唯一、ご自身の状況を説明して提出できる書類になります。高次脳機能障害のご本人が請求する際には、細かく困っていることを訴えて書いている人も少なくありませんが、審査する側が端的に分かるように要点を押さえて、過不足なく書くことが重要です。

6. 各種提出書類の収集および請求書等の作成

7. 年金事務所または市区町村役場へ提出

高次脳機能障害に関するよくある質問

Q. 障害者手帳を持っていないのですが、高次脳機能障害で障害年金をもらうことはできますか?

A. 障害年金の制度と障害者手帳の制度は全く異なるものですので、障害者手帳を取得していなくても障害年金を受給することはできます。

Q. 精神障害者保健福祉手帳を取得したら3級でした。初診日が国民年金加入中なので障害基礎年金2級を受給することは難しいのでしょうか?

A. 精神障害者保健福祉手帳の等級は障害年金を受給する上で目安になることはあります。しかし精神障害者保健福祉手帳は3級であっても障害年金2級を受給できた事例は多くありますし、その逆もしかりです。精神障害者保健福祉手帳の等級に捉われることなく、日常生活や労働に支障があるようでしたら障害年金の請求(申請)をしてみてはいかがでしょうか。

Q. 脳梗塞を起こした後、忘れっぽくなったり言葉がすぐに出てこなくなりました。自分では高次脳機能障害ではないかと思うのですが、医師からは高次脳機能障害との診断を受けていません。障害年金をもらうにはどうしたらよいですか?

A. 高次脳機能障害にあてはまる自覚症状があっても診断を受けていないという方は多いです。まずは高次脳機能障害の検査や診断ができる病院を探し、受診することをおすすめします。

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