1. 障害年金がもらえる精神疾患とは
  2. 障害年金で受給できる金額について
  3. 精神疾患で障害年金がもらえる程度とは~「障害認定基準」
  4. 精神疾患の障害年金認定で重要な日常生活能力とは
  5. 精神疾患で障害年金を申請する時のワンポイントアドバイス

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うつ病や統合失調症など精神疾患で働くことができなくなったり、日常生活に支障が出ている場合には、所得保障として障害年金をもらうことができます。障害年金が受給できる精神疾患と受給できない精神疾患があり、障害年金を受給するためにはちょっとした知識があると役立ちます。精神疾患で障害年金をもらうために気を付けることや方法などについてわかりやすくご説明したいと思います。

障害年金がもらえる精神疾患とは

障害年金では精神の障害を以下の6つにグループ分けしています。そして、このグループごとに障害年金が受給できる程度の基準が定められています。

統合失調症、統合失調型障害及び妄想性障害

・統合失調症
・妄想性障害
・統合失調感情障害 など

気分(感情)障害

・うつ病
・双極性感情障害(躁うつ病)
・反復性うつ病性障害
・気分変調症 など

症状性を含む器質性精神障害

・高次脳機能障害
・アルツハイマー病の認知症 など

てんかん

知的障害

発達障害

・広汎性発達障害
・自閉症
・トゥレット症候群
・アスペルガー症候群
・ADHD(注意欠陥多動性障害) など

障害年金対象外の精神疾患

精神の障害であっても、人格障害や神経症は障害年金の認定対象とはなりません。ただし、神経症は「精神病の病態を示しているものについては統合失調症または気分(感情)障害に準じて取り扱う」とされています。

神経症

不安神経症、広場恐怖症、社会恐怖症、パニック障害、強迫性障害、適応障害、急性ストレス反応、外傷後ストレス障害(PTSD)、解離性障害、身体表現性障害など

人格障害

パーソナリティ障害、性同一性障害など

障害年金で受給できる金額について

受給できる障害年金の金額は、初診日に加入していた年金制度によって大きく変わります。

初診日に加入していた年金制度が国民年金の方は「障害基礎年金」、厚生年金の方は「障害厚生年金」を受給し、それぞれ等級によって金額も異なります。

障害基礎年金1級と2級の方には子供の加算がつき、障害厚生年金1級と2級の方には配偶者の加算もつきます。

例えば障害基礎年金1級の方は年金額が977,125円ですので、1ヶ月に約81,000円程度を受給できることとなります。また、障害年金は2月・4月・6月・8月・10月・12月の15日(休日の場合は前日)に2ヶ月分ずつ支給されます。

精神疾患で障害年金がもらえる程度とは~「障害認定基準」

精神疾患がどのような症状であれば障害年金が受給できるかどうかを定めた基準があり、それを「障害認定基準」と言います。精神の障害は6つのグループに分かれ、それぞれの認定基準があります。

おおまかには、

1級:常に誰かの援助がないと日常生活を送ることができない程度
2級:必ずしも誰かの援助を受ける必要はないが日常生活に支障がある状態
3級:労働に支障がある状態

です。

統合失調症の障害認定基準

(統合失調症・妄想性障害・統合失調感情障害など)

1級の認定基準

高度の残遺状態又は高度の病状があるため高度の人格変化、思考障害、その他妄想・幻覚等の異常体験が著明なため、常時の援助が必要なもの

2級の認定基準

残遺状態又は病状があるため人格変化、思考障害、その他妄想・幻覚等の異常体験があるため、日常生活が著しい制限を受けるもの

3級の認定基準

残遺状態又は病状があり、人格変化の程度は著しくないが、思考障害、その他妄想・幻覚等の異常体験があり、労働が制限を受けるもの

気分(感情)障害の障害認定基準

(うつ病・双極性感情障害(躁うつ病)・反復性うつ病性障害・気分変調症など)

1級の認定基準

高度の気分、意欲・行動の障害及び高度の思考障害の病相期があり、かつ、これが持続したり、ひんぱんに繰り返したりするため、常時の援助が必要なもの

2級の認定基準

気分、意欲・行動の障害及び思考障害の病相期があり、かつ、これが持続したり又はひんぱんに繰り返したりするため、日常生活が著しい制限を受けるもの

3級の認定基準

気分、意欲・行動の障害及び思考障害の病相期があり、その病状は著しくないが、これが持続したり又は繰り返し、労働が制限を受けるもの

症状性を含む器質性精神障害の障害認定基準

(高次脳機能障害・アルツハイマー病の認知症など)

1級の認定基準

高度の認知障害、高度の人格変化、その他の高度の精神神経症状が著明なため、常時の援助が必要なもの

2級の認定基準

認知障害、人格障害、その他の精神神経症状が著明なため、日常生活が著しい制限を受けるもの

3級の認定基準

1. 認知障害、人格変化は著しくないが、その他の精神神経症状があり、労働が制限を受けるもの

2. 認知障害のため、労働が著しい制限を受けるもの

てんかんの障害認定基準

1級の認定基準

十分な治療にかかわらず、てんかん性発作のA又はBが月に1回以上あり、かつ、常時の援助が必要なもの

2級の認定基準

十分な治療にかかわらず、てんかん性発作のA又はBが年に2回以上、もしくは、C又はDが月に1回以上あり、かつ、日常生活が著しい制限を受けるもの

3級の認定基準

十分な治療にかかわらず、てんかん性発作のA又はBが年に2回未満、もしくは、C又はDが月に1回未満あり、かつ、労働が制限を受けるもの

てんかん発作のタイプは、以下の4つに分類されます。

A:意識障害を呈し、状況にそぐわない行為を示す発作
B:意識障害の有無を問わず、転倒する発作
C:意識を失い、行為が途絶するが、倒れない発作
D:意識障害はないが、随意運動が失われる発作

知的障害の障害認定基準

1級の認定基準

知的障害があり、食事や身のまわりのことを行うのに全面的な援助が必要であって、かつ、会話による意思の疎通が不可能か著しく困難であるため、日常生活が困難で常時援助を必要とするもの
2級の認定基準

2級の認定基準

知的障害があり、食事や身のまわりのことなどの基本的な行為を行うのに援助が必要であって、かつ、会話による意思の疎通が簡単なものに限られるため、日常生活にあたって援助が必要なもの

3級の認定基準

知的障害があり、労働が著しい制限を受けるもの

発達障害の障害認定基準

(広汎性発達障害・自閉症・トゥレット症候群・アスペルガー症候群・ADHD(注意欠陥多動性障害)など)

1級の認定基準

発達障害があり、社会性やコミュニケーション能力が欠如しており、かつ、著しく不適応な行動がみられるため、日常生活への適応が困難で常時援助を必要とするもの

2級の認定基準

発達障害があり、社会性やコミュニケーション能力が乏しく、かつ、不適応な行動がみられるため、日常生活への適応にあたって援助が必要なもの

3級の認定基準

発達障害があり、社会性やコミュニケーション能力が乏しく、かつ、不適応発達障害があり、社会性やコミュニケーション能力が不十分で、かつ、社会行動に問題がみられるため、労働に著しい制限を受けるもの

精神疾患の障害年金認定で重要な日常生活能力とは

精神疾患で障害年金の請求(申請)をする場合には、精神の障害用診断書(様式第120号の4)を使用します。そして、精神疾患の症状がどの程度かどうかは日常生活能力によって審査され、等級が決められます。

日常生活能力の判定とは

「日常生活能力の判定」とは、日常生活の7つの場面における制限度合を、それぞれ具体的に評価するものです。

日常生活の7つの場面

適切な食事

配膳などの準備も含めて適当量をバランスよく摂ることがほぼできるなど。

身辺の清潔保持

洗面、洗髪、入浴等の身体の衛生保持や着替え等ができる。また、自室の清掃や片付けができるなど。

金銭管理と買い物

金銭を独力で適切に管理し、やりくりがほぼできる。また、一人で買い物が可能であり、計画的な買い物がほぼできるなど。

通院と服薬

規則的に通院や服薬を行い、病状等を主治医に伝えることができるなど。

他人との意思伝達及び対人関係

他人の話を聞く、自分の意思を相手に伝える、集団的行動が行えるなど。

身辺の安全保持及び危機対応

事故等の危険から身を守る能力がある、通常と異なる事態になった時に他人に援助を求めるなどを含めて、適正に対応することができるなど。

社会性

銀行での金銭の出し入れや公共施設等の利用が一人で可能。また、社会生活に必要な手続きが行えるなど。

日常生活の7つの場面における制限度合を、次の4段階で判定します。※ご家族に援助してもらっている方は、一人暮らしだと仮定して判断します。

① できる
② 自発的に(おおむね)できるが時には助言や指導を必要とする
③(自発的かつ適正におこなうことはできないが)助言や指導があればできる
④ 助言や指導をしてもできない若しくは行わない

【 日常生活能力の程度 】とは

「日常生活能力の程度」とは、「日常生活能力の判定」の7つの場面も含めた日常生活全般における制限度合を包括的に評価するものです。

障害の原因となった傷病名に知的障害が含まれる場合は知的障害、知的障害が含まれない場合は精神障害で判定します。

精神障害

① 精神障害(病的体験・残遺症状・認知障害・性格変化等)を認めるが、社会生活は普通にできる。

② 精神障害を認め、家庭内での日常生活は普通にできるが、社会生活には援助が必要である。(たとえば、日常的な家事をこなすことはできるが、状況や手順が変化したりすると困難を生じることがある。社会行動や自発的な行動が適切に出来ないこともある。金銭管理はおおむねできる場合など。)

③ 精神障害を認め、家庭内での単純な日常生活はできるが、時に応じて援助が必要である。(たとえば、習慣化した外出はできるが、家事をこなすために助言や指導を必要とする。社会的な対人交流は乏しく、自発的な行動に困難がある。金銭管理が困難な場合など。)

④ 精神障害を認め、日常生活における身のまわりのことも、多くの援助が必要である。(たとえば、著しく適性を欠く行動が見受けられる。自発的な発言が少ない、あっても発言内容が不適切であったり不明瞭であったりする。金銭管理ができない場合など。)

⑤ 精神障害を認め、身のまわりのこともほとんどできないため、常時の援助が必要である。(たとえば、家庭内生活においても、食事や身のまわりのことを自発的にすることができない。また、在宅の場合に通院等の外出には、付き添いが必要な場合など。)

知的障害

① 知的障害を認めるが、社会生活は普通にできる。

② 知的障害を認め、家庭内での日常生活は普通にできるが、社会生活には援助が必要である。(たとえば、簡単な漢字は読み書きができ、会話も意思の疎通が可能であるが、抽象的なことは難しい、身辺生活も一人でできる程度)

③ 知的障害を認め、家庭内での単純な日常生活はできるが、時に応じて援助が必要である。(たとえば、ごく簡単な読み書きや計算はでき、助言などがあれば作業は可能である。具体的指示であれば理解ができ、身辺生活についてもおおむね一人でできる程度)

④ 知的障害を認め、日常生活における身のまわりのことも、多くの援助が必要である。(たとえば、簡単な文字や数字は理解でき、保護的環境であれば単純作業は可能である。習慣化していることであれば言葉での指示を理解し、身辺生活についても部分的にできる程度)

⑤ 知的障害を認め、身のまわりのこともほとんどできないため、常時の援助が必要である。(たとえば、文字や数の理解力がほとんど無く、簡単な手伝いもできない。言葉による意思の疎通がほとんど不可能であり、身辺生活の処理も一人ではできない程度)

精神疾患で障害年金を申請する時のワンポイントアドバイス

精神疾患で障害年金をもらうための準備をする上で、知っておくと役立つワンポイントアドバイスをまとめました。知っているのと知らないのでは、結果が大きく変わることがあります。

まずは病歴を古い順から思い出して整理する

障害年金の請求(申請)をする場合、年金事務所に相談をすると「初診日に行った病院で受診状況等証明書を取ってください」「障害認定日と今の病院で診断書を書いてもらってください」と淡々と説明されます。そのため、真っ先に病院に行き、受診状況等証明書や診断書をすぐに作成依頼してしまう方がとても多いです。

そこで、ちょっと待ってください!まずは、精神疾患を発症した時(知的障害と発達障害の方は生まれた日)から今までのことをじっくりと整理してみましょう。

  • どんな症状が最初は出てきたのか。
  • その症状で病院に行こうと思ったのはどうしてか
  • その病院を選んだのはどういう理由だったのか。
  • 病院に行かなかった期間は、何をしていたのか。なぜ病院に行かなかったのか。
  • 病院を変えた理由はどういうことだったのか。
  • 病院ではどんな治療を受けて、どの位の頻度で通院し、治療開始後は症状に変化はあったのか。
  • 働いていたのか。働いていたら、その時の症状はどうだったのか。
  • 働いていない場合、どんな症状があって働くことができなかったのか。

というようなことを意識しながら思い出し、情報が揃ってきたらもっと具体的に、〇年〇月○日~〇年〇月〇日は〇〇病院と、病院ごとに当てはめていきます。この作業をすることにより、ご自分の精神疾患の症状や日常生活や労働の支障を正しく理解することができ、医師にも伝えやすくなります。また、社労士に障害年金サポートを依頼する場合にも社労士に理解してもらいやすくなります。

診断書を医師に依頼する時に簡単なメモを用意する

おそらく多くの方がいつもの診察は短時間で終わることと思います。また、例えばうつ病の方でしたら、「眠れません。不安感が強いです。」というように症状のみを訴えて、日常生活について医師に伝えることは少ない場合があります。そうすると、診断書に記載する肝心な「日常生活能力」については正しく記載してもらえない状態で診断書が作成されてしまうのです。

「でも、今までドクターに日常生活について何も話していないけど大丈夫?」

大丈夫です!そのような患者さんがほとんどなので、障害年金の請求(申請)をきっかけに日常生活について医師にお伝えすることはよくあることなのです。

でも、いざ診察室に入ると緊張して話せなくなると思いますので、そのために医師に伝えることをメモしておきましょう。

診断書の精神疾患の病名をしっかりと確認する

診断書が出来上がったら、診断書の表面の①障害の原因となった傷病名を確認してください。ここに記載されている傷病名が、障害年金対象外の神経症や人格障害の傷病名になっていませんか?もし、障害年金対象外の病名が記載されていると、それだけで障害年金が受給できない可能性があります。

また、ICD-10コードという欄がありますが、F10台、F40~60台になっていると障害年金対象外の病名ですので注意が必要です。

さいごに

精神疾患で障害年金を受給する時に、ご自分で準備をしていると進まなくなったり、迷ったりすることが出てくる場合があります。
そんなときは、ご自分で抱え込まずに精神疾患で実績がある社労士に依頼をすることもひとつの手段です。

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